生け贄
わたしは犬とずっと暮らしている
そして去年から猫もふえた
彼らがいなかったらわたしはもうこの世にいなかったろう
犬という家族が私の命を繋げていた20代
いつも死にたかったのに犬を見ると
この子を残して死ねないとおもいとどまった
犬が死にもうこれで…とひといきついていたら
いまの犬がやって来た
兄が計算したかのように小脇に抱えて家に帰って来た
そうしてわたしはまた死ぬタイミングを逸した
そうしたら猫
この二人が天に召されたら…
あと10年以上は生きていないと
この生きにくさを抱えながら
それでも彼らのために今日眠りに就く
あしたのために
あしたなんかいらないのに
あしたなんてこなくていいのに
いつも診断書にかかれる四文字
つかれました